第23号:ツボの位置 †
皆さんは昨年のこんな記事を目にしたことがありますか?
世界保健機関(WHO)は11月1日、茨城県つくば市で開いた国際会議で、はり・きゅうで使われる361か所のツボの位置を統一する世界基準を決定した。
国内で用いられている教科書とは約40か所が異なるため、教育内容も変更されることになりそうだ。
ツボの位置は各国ごとに微妙に異なり、効用の国際比較などで混乱があったことから、WHOは2003年から日本、中国、韓国を中心にして統一基準の策定に取り組んできた。
今回の国際会議には、日中韓をはじめ計9か国が参加。
最後まで議論が分かれた6か所のツボについては、投票で決着をつけた。
採用されなかったツボの位置も参考として付記する。
WHOは、今回決まった世界基準に基づき、ツボの効用などを検証する。
(2006/11/01 読売新聞)
これによって、現在の教科書を使用している人とこれから改訂される教科書を使用することになる人とはツボ位置が変わってきます。
各院の現場では多少の混乱はあるかもしれませんが、統一基準ができたことによって、『決まった世界基準に基づき、ツボの効用などを検証する。』ことが進んでいき、WHOで鍼灸の効果効能が明らかになってくれば鍼灸の保険適用など、業界でも大きななうねりになってくるのではないでしょうか?
しかし、同じ名称のツボであっても、ツボ位置は体質や体調により移動すると言われています。
移動するツボ位置は問診と触診によって見分けるのが普通です。
実際の施術では、この問診・触診が基本中の基本です。
問診・触診の得手・不得手によって名医か名医でないかが決まるといっても言い過ぎではないと思います。
実際、臨床の現場においては治療方法にはあまり変化はないのかもしれませんが、しっかりとした客観的なデータを集めることにより、鍼灸の有用性を謳っていって欲しいものですね。
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