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第24号:社会的手抜きと目標設定

リーダーとして目標設定をし、それを達成させようとするには様々な要素を把握していかなければなりません。
そこで今回は「社会的手抜きと目標設定」についてお話したいと思います。

職場や学校で何かしらの作業をするときに全員に対して何かを話してもちゃんと伝わらなかったり、その話の内容をそれぞれ個人個人が当事者意識を持って業務を遂行していなかったりすることはありませんか?

この種の現象を「社会的手抜き」といいます。
これはメンバーの匿名性が高い場合(メンバー個人の作業量が特定できない場合)などに起きやすいのです。
「社会的手抜き」は、人々がグループで作業をするとき、一人で作業するときと比べて、努力する量を減らすというものです。
これは、意図的に手をゆるめる場合、無意識的に手をゆるめる場合の両方が考えられます。

社会的手抜きの実験で有名なのは、リンゲルマンのロープ引き実験で、被験者が単独でロープを引っ張らされる場合と、被験者がグループでロープを引っ張る場合とで、どれだけの力が加えられたかを客観的に調べたものです。
その結果、グループのサイズが大きくなればなるほど、一人の人がロープを引く力が弱まることがわかりました。

このような社会的手抜きの現象を説明する理論としてはいくつかあります。

  • 社会的インパクト理論
    あることを頼まれたり命令されたりするとき、1人の人が言われる場合と、集団として言われる場合とでは、その頼まれごと、命令、仕事のインパクトが異なる。
    つまり、集団に対して物事を頼まれたり仕事を要請される場合は、個人個人に与えるインパクトは小さい。
    集団のサイズが大きくなるほどインパクトは小さくなる。
  • 精神的喚起の減少
    社会的インパクトと同様に、集団に対して要請がなされると、メンバーの精神的喚起が弱まる。
    1人のときに言われる場合のほうが、集団で言われる場合よりも、生理的な興奮や覚醒の度合いがより高い。
  • 自己の貢献度評価理論
    グループのメンバーは、自分の努力が、グループの業績にどれだけ貢献するのだろうかを考える。
    グループのサイズが大きくなってくると、この関係が曖昧になってくる。
    自分の努力がどれだけグループの業績に貢献するかよくわからないので、やる気がなくなってくる。
  • 努力の無価値感
    グループで作業を行う場合、自分の努力は多分あまりグループの業績に貢献しないだろうという思いが、グループのときのモチベーションを減らしてしまう。

そこで、社会的手抜きを防止し、チームの効果を高めるにはどうしたらいいでしょう。

  1. チーム全体の目標を設定する
    できればメンバー全員で話し合いをさせ、具体的なチーム目標を設定するといいでしょう。
    目標は数値にして表すことが望ましいです。
    その際、チーム同士で競争するような状況をつくると、リスキー・シフトにより各人のモチベーションが高まり、高いチーム目標が設定されやすいです。
    ※人は集団になると、大胆になり、勇ましい結論を出す傾向がある。これをリスキー・シフトといいます。
  2. 個人目標を明確にする
    チーム目標だけでは、各人の責任が曖昧になり、社会的手抜きが起きやすいです。
    それを避けるには、チーム目標を分割して個人目標として各人に割り当てるのがよいでしょう。
    このようにすれば、チーム内での各人の責任が明確になると同時に、誰かが怠けると、チーム全体が目標を達成できなくなるために、各人には成績への強いプレッシャーがかかり、社会的手抜きがいっそう起きにくくなります。
  3. 個人の達成量をオープンにする
    ときどきチーム目標および個人目標の達成度をフィードバックすれば、遅れているメンバーはいっそう励み、チーム目標が達成されやすくなります。

このように全体の目標を決めてから個人それぞれに目標をフィードバックする。
ということをしないで「誰も動かない」と嘆いているリーダーが多いのではないでしょうか?
また、「誰かがやるだろう」と思っていればチームとしての目標は達成されないままです。
「自分がやらねば」と常に考えることが重要になってきます。

最近話題の映画「あなたを忘れない」で線路に落ちた人を助けようとして亡くなってしまった青年の話も「私が助けなければ」という思いがそういう行動をさせたものではないでしょうか?
それだけに「私がやらねば」と思えるのは難しいことともいえるでしょう。


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