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第27号:上司は部下の能力に応じて、接し方を意識的に変えよう

「フェアなえこひいき」が組織の潜在力を引き出す

リーダーは、直属の部下たちが各自の潜在能力をフルに発揮する手助けをするという重要な責務を負っています。
しかしその一方で、リーダーの時間やエネルギー、予算は限られているのです。
では、各人から最高のパフォーマンスを引き出し、それによって組織の最高のパフォーマンスを実現するために、その限られた資源をどのように配分すればよいのでしょうか。

そこで「フェアなえこひいき」をすることをお勧めします。
しかしここで重要なのは、接し方に差をつけたら、目立たぬところできちんと仕事をしている有用な社員に疎外感を抱かせ、社員を分裂させることになる、と言う事です。
そこで、社員が疎外感を抱くのをどうやって防げばいいのでしょうか?

部下のタイプに応じて「価値」を定義する

多くのリーダーが、気にかける価値があるのはきわめて目立つ貢献をしている社員だけだと思い込んでいるのではないでしょうか。
まず、ルールを破れ──すぐれたマネジャーはここが違う』(宮本喜一訳、日本経済新聞社)で知られるカート・コフマンは、

業績がトップクラスではなかったり、簡単には測定できなかったりする場合、そうした社員は注目されないままだ

と言っています。
上司が注目しないところで貢献している有用な社員は、ともすると「縁の下の力持ち」と称されます。
しかし、スーパースターの社員のほうが一般に仕事の質の点でも量の点でも生産性が高いのですが、縁の下の力持ちは別の形の価値をもたらすのです。
たとえば、多くの縁の下の力持ちがスーパースターほど野心家ではなく、そのため一つのポジションにより長くとどまります。
長い在任期間は安定を生むとともに、組織の文化や社内的な政治力学やプロセスについての深い知識をはぐくむことになります。
そのような社員は、幅広いネットワークを築いて組織の長老的存在とでもいえる人になることが多いのです。
社内で何か困ったことが起こったときに相談に乗ってもらいやすい人というのは得てして縁の下の力持ちではないでしょうか?
「上司がこれらの社員をないがしろにしたら、そのツケは自分に回ってくる」のです。

能力開発の機会、褒賞の種類を個々人に合わせる

上司は自分の関心を振り分けるにあたり、スーパースターとさほど輝いていない部下の二者択一にする必要はありません。

あなたの時間と関心のすべてをスーパースターか縁の下の力持ちのどちらか一方に注ぐべきだということではない

どちらのグループの社員も関心を必要としている。ただ、必要な関心の種類が違うのだ

と、スーザン・K・ウェアリー・アンド・アソシエイツの社長、スーザン・K・ウェアリーは言います。
たとえば、スーパースターは、自分の成功戦略を他の人々に発表する機会を与えられたとき、最も勢いづく傾向があり、さほど輝いていない縁の下力持ちは、問題解決のためのより率直な面談やコーチングを受けたほうがやる気を起こす傾向があります。

能力開発の機会についても二者択一の考え方は避けるべきでしょう。
スーパースターの能力開発は、一般に自分の仕事の範囲を広げ、組織のなかでさらに重要な役割を担う準備をすることに焦点があてられます。縁の下の力持ちもスーパースターと同等の関心を払われてしかるべきで、その成果も少しもひけをとらないものになりうるのです。
新しい役割を担う準備ができていない有用な社員も、現在のポジションでより優れた仕事をし、できればその役割のなかで新しい責務を引き受けるのに役立つ訓練を受けることで、やはり成長できるのです。

また、能力開発の機会を個々人のニーズに合わせるように、褒賞もまた「個々人の望みに応じて」与えるべきです。
ある会社では、プロファイリングによって社員のコア人格(支配的、自立心が強い、従順等々)を突き止め、それぞれに適したインセンティブを与えています。
たとえば、営業職など、きわめて競争心の強い社員は、その売り上げに応じたボーナスが出るなど、直接的なインセンティブを目指させるのです。
しかしすべての社員が、それほど競争心が強いわけではないでしょう。
そのため、毎日職場に来て、きちんと仕事をこなす「堅実な社員」向けに、いくぶん小型の褒美を出す別のプログラムもあるのです。
また、とくにチーム・スピリット溢れる社員のためには、同僚が推薦し合い、受賞者にはその人の関心に合わせた賞品が贈られる「スター賞」などが設けられている会社もあります。

このような一見すると不平等とも思えるような接し方については、不満の声が上がることもあるという意見もありますが、しょっちゅう不満を言っている社員は概して最もパフォーマンスの悪い社員であることが多く、彼らは会社が何をしようと不満なのであり、自ら進んで会社をやめてしまうことが多いのも事実です。

褒賞は必ずしもあらたまった形をとる必要はありません。
スーパースターは昇進などの目に見える褒賞に価値を置くかもしれませんが、優秀な縁の下の力持ちに会社の感謝の気持ちを伝え、彼らを会社に引き留めておくには、簡単な手書きの感謝状や、小規模な感謝の集いだけでも十分伝わるはずです。
それが伝わるのが優秀な縁の下の力持ちなのです。

差をつけていることを率直に伝える

差をつけた接し方から生じかねない対立をうまく乗り越えるためには、十分に考え抜いたコミュニケーションが不可欠です。
上司は差をつけた接し方について隠し立てをしてはならないと、先ほどのウェアリーは言います。

上司は部下に率直に伝えるべきだ。『私の仕事は君たち全員から最高のパフォーマンスを引き出すことだ。君たちが自分の潜在能力をフルに発揮しているときは、私はそれを認めて君たちにより大きな自由を与えるだろう。君たちが悪戦苦闘しているときは、どうすれば事態を改善できるか一緒に考えようと声をかけるだろう』と。

このスーパースターにも縁の下の力持ちにも十分なコミュニケーションの時間を費やせるよう、上司は自分のコミュニケーション・パターンを認識する必要があります。
スーパースターは関心や褒賞に対して限りない欲求を持っていることが多く、上司が自分では気づかないまま自分の時間の90%をスーパースターに費やしていることがあります。
その結果、縁の下力持ちがないがしろにされていると感じて会社をやめてしまい、彼らの重要な貢献が得られなくなるおそれがある事を認識しましょう。
そのような事態に陥らない為に、コミュニケーションに関するスーパースターの期待と縁の下の力持ちの見えにくい貢献にうまく対処すべきなのです。
それには上司がどのくらいの頻度で部下に会って、彼らのパフォーマンスや目標について話し合うつもりなのかを、あらかじめ知らせておく事が重要なのです。


編集後記

あはきの国家試験は終わりましたが、いよいよ柔整の国家試験です。 SQSでは、鍼灸試験の模範解答を公開しています。また、柔整も同様に行う予定です。 受験された方/受験される方はご利用ください。
今週も上田孝之氏より寄稿があり「未来への提言」に掲載しています。


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