国試ワンポイントレッスン †
前回の答え †
問題３ 脱臼とその分類との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1．肩鎖関節脱臼----上方脱臼、前方脱臼、後方脱臼
2．胸鎖関節脱臼----後方脱臼、上方脱臼、下方脱臼
3．肩関節脱臼----前方脱臼、後方脱臼、下方脱臼、上方脱臼
4．前腕両骨脱臼----後方脱臼、前方脱臼、側方脱臼、開排脱臼
正解は…３・４
１．脱臼骨頭が前方に留まることはなく、前方に脱臼する様な外力を受けることはほとんどない為、前方脱臼は存在しない。
２．前方脱臼の発生頻度は高く、そのほとんどが完全脱臼となる。
脱臼骨頭が胸骨柄に当たり、下方への脱臼はない。
３．本脱臼は発生頻度が高く（全外傷脱臼中の約５０％）成人に多い。そのほとんどが
前方脱臼である。肩関節の構造状、前後・上下に脱臼することがある。
４．大部分は後方脱臼となり、他脱臼はまれに発生する。特に前方脱臼はきわめてまれであり、肘頭骨折を起こさなければ発生しない。
解説者：鈴木 正導 氏
今回の問題 †
問題４ 肩鎖関節脱臼について誤っているのはどれか。
解剖学ワンポイントアドバイス †
解剖学担当：Ｔ.Ｏ 氏
大結節と小結節編 †
上腕骨にある２つのこの結節は健板（ローテーターカフ）の付着部です。
大結節には棘上筋、棘下筋、小円筋が、小結節には肩甲下筋が付着しています。
この４つの筋には全て、肩甲骨から、つまり肩の後ろから起こります。
そして大結節に停止する筋は全て肩（上腕骨）の外をまわって、小結節に停止する筋は肩の内（脇の下）をまわってそれぞれ停止します。
つまり、大結節に停止する３つの筋は、外旋という共通の作用を、そして小結節に停止する肩甲下筋は同じく脇の下から小結節稜に停止する大円筋、広背筋と共に内旋の作用を持ちます。
大円筋、広背筋、大胸筋は小結節稜、大結節稜に停止する筋です。
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