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レセプトって呼んでもいいの?

 「今月の締め切りまでにレセプト提出が間に合わないわ。どうしよう」とか、「今月は随分と患者さんが多かったな。レセの作成が大変だわ」などと言っていますね。「レセ」なーんてレセプトをかっこよくちょっと省略したりするけど、レセプトってどういうこと?また、この呼び名の本当のところはどういう意味なのか、私たち療養費の世界でこれを使っていてもいいのかしら?というレアでマニアックなご質問にお答えします。

 病院等の保険医療機関は保険請求をするために「診療報酬明細書」という紙を書きます。社会保険診療報酬支払基金に提出して保険分を請求する明細書のことを「レセプト」と広く呼んでいます。
 その語源は諸説ありそうですが、私が社会保険大学校で教えてもらったところによると…

請求明細で保険医療費が支払われるにもかかわらず、その受け取りに関しての領収書を別途作成するのではないことから、請求明細書兼顔収書と位置づけられる。そうするとドイツ語でレセプト、英語だったらレシートですよね

…ということでした。その真偽は明確ではありませんが、何となく私はこの説明で納得してしまいました。保険診療を行って保険分の請求を診療報酬の明細ということで作成したものを、請求兼領収ということで支払基金に請求を起こした「請求書兼領収書の紙」であるからレセプトと簡略して呼称としているのでしょう。

 では、私たちの作成している柔道整復のレセプトはどうなのでしょうか。厚生労働省の通知上で見てみますと、「柔道整復施術療養費支給申請書」ってなっています。「報酬明細書」とはなっていません。

 療養費は、本来、被保険者の申請に基づいて保険者から直接本人に支払われるものです。ただ、柔道整復は受領委任払いにより、私たち施術者側が療養費を受け取っています。だから、「そんな難しいことを考えなくても、実態を見れば病院と同じなんだから、『柔道整復施術療養費支給申請書』を『レセプト』って呼んでもいいし、それに社会保険事務所や健保組合の担当者だって『柔整のレセプト』って言ってるじゃん。」と言われるかと思います。
しかし、レセプトの語源がレシートに代表される領収明細のことであれば、柔整のものは療養費の申請書であり、また、その申請行為の本来の当事者でもないことからも、「レセプト」って呼ぶことは本来おかしな事なのです。

 なぜこのように呼ばれるようになったのかは分かりませんが、「我々柔整師も医者と同じになりたい」ということのひとつの表れかもしれません。ただ、レセプトという呼び方は“ちょっと違うなあ”と疑念を持っておられる方々や、“何が柔整レセプトや”と強い反感を持たれている方々がいらっしゃることも事実です。そのことをちょっとだけ胸に留めたうえで、「柔整レセプト」と呼んでください。

解説者:元厚生労働省療養指導専門官 上田孝之 氏

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