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鍼灸の保険治療について

元厚生労働省療養指導専門官・上田孝之氏

質問

近隣に所在する外科・整形外科を標榜する医院のドクターが、患者さんが私の鍼灸治療を受けることを希望すると「絶対に同意書は書かない」と不機嫌になり、患者さんにきつく当たるそうです。
私としても保険で治療して差し上げたいのですが、同意書が取れなければ全額自費を頂くしかありません。
なにか良いアドバイスはありますでしょうか?

解答

鍼灸治療を健康保険で受ける場合には、その疾病にかかる主治の医師の同意書が必要ですが、主治の医師が同意書を書いてくれないことは、実はよくあることですね。
患者から自分の治療が効かない役立たずだといわれたような気がして、感情的に同意しないという点。
また、鍼灸の治療費は医科の現物給付との併用が認められないことから、同意書を書くということはその患者分の保険請求をしないということになり経済面・収入面でのマイナスであるという点。
そして、自分の医療技術では治せなかったことを公に認めることになるという点。
この3点だけをみても、本来医師が同意書を書くわけはありませんね。
だから、「主治の同意書」を要する現行の保険取扱いは、鍼灸治療の保険対応を入口から大きく制限しているということとなります。

そもそも「医師による適当な治療手段のないもの」が療養費の支給対象となっているということは、ドクターが無能のため治療をあきらめたものだけを鍼灸師が施術できるという、医師よりも鍼灸師の治療能力のほうが優っているということを条件とした取り扱いであり、医師にとって非常に失礼な運用がなされているとも言えます。
(少し皮肉のように聞こえますが)
繰り返しますが、医師が治せないものに限定して鍼灸師には保険が利くのだから医師よりも鍼灸師のほうが能力があるということですよね。
そのように整理してみると、やはり、現行の鍼灸保険の取り扱いには無理があるのではないでしょうか。

どうしても主治の医師が同意してくれないのであれば、その先生の発言や態度を時系列に整理して、患者さんの加入している保険者さんに相談してみることですね。
また、主治の医師の同意は原則ですが、それ以外のドクターの同意書でも保険者が認めてくれることはよくあります。
まずは、困っていることを保険者に全部相談して、ご理解をいただくところから始めましょう。
そしてみんなで、保険の取り扱いの変なところを是正要求していきましょう。


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